アスレティック・トレーナー 「ATC(NATA-BOC)」
ATCとはアメリカの国家資格を持つアスレティック・トレーナーです。
アメリカでアスレティック・トレーナーと名乗って良いのはATCのみです。
日本では現在、アスレティック・トレーナーの国家資格はありません。日本体育協会認定アスレティック・トレーナーが主体ではありますが、国家資格ではないために誰でもアスレティック・トレーナーと名乗れてしまうのが現状です。
アメリカでは、大学にアスレティック・トレーニングが学科として組み込まれています。そこで一般教養のほかに、人体機能解剖学、運動学、運動生理学などの基礎知識を学びます。
およそ30年前は、大学のスポーツチームに帯同して実践しインターンとして活動することが義務付けられていました。現在は見学のみで実践は行われないようですが、私が在学しているころは、授業の合間にトレーニングルームで選手のケアをし、練習に参加して水分補給、応急処置など、選手が快適に競技に集中できるような活動(訓練)が必須でした。また、ケガをした選手の病院への送り迎え、医師やPTとのやり取りも役割の一つでもありました。スポーツがビッグビジネスであるアメリカならではの経験を積むことができ、トレーナーとしての基盤となっています。
アスリートの健康と教育に携わる高い知識と技術をしっかりと学び訓練を受け、卒業後(卒業見込み)試験に合格するとATCになることができます。
私は1998年にATCを取得しました。20年超の経験を加えたさらなる知識と技術で、アスリートだけではない幅広い層の人たちにフィジカル面(カラダ)から貢献することができます。
TICEコーチ
パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング(Performance Enhancement Coahcing)を通称TICE(タイス)コーチングと呼びます。
創始者はアメリカのルー・タイス。残念ながらすでに亡くなっております。
メンタル・トレーニングのベースが心理学だとすると、TICEコーチングのベースは認知科学です。
心理学はもともとケーススタディに基づいていました。
例えば、Aという箱の中に緑色のボールを入れたときに、箱の底から何色のボールが出てくるかを検証する。100万回試してみると、高確率で黄色のボールが出てきて、低確率で赤いボールが出てきて、わずかな確率で黒や青色のボールが出てきた。
だからAの箱に緑色のボールを入れると黄色のボールが出てくるという結果が導かれる。稀な結果にはあまりフォーカスされません。そして、箱の中で何が起きているのかは検証されず謎のまま。
認知科学は、箱の中で何が起きているのかに注目しています。「箱の中=脳」です。
箱の中で何か起こっているのかがわかれば、高確率で黄色のボールが出る理由も、わずかながら黒いボールが出る理由もわかります。
「あなたは"Aタイプ"だから、”あ”という方法を行うことで良い結果が出るでしょう」
というのは本当でしょうか?
”あなたはAタイプ” は "あなた=Aタイプ” ではありません。
"あなた≒Aタイプ” です。
”Aタイプ”に対する”あ”という方法の関係も絶対ではありません。
”Aタイプ”であるかどうかも定かではないのに、”あ”という方法がベストであるとは言い切れません。こんなことを考えだすと、タイプと方法の組み合わせは無限です。
何かに自分自身をあてはめるのではなく、誰かに方法を決めてもらうのでもなく、自分はどうなりたいのか、それには何が必要なのかを、相談者が自ら原因と解決策を見つけ出す。それが認知科学に基づいたコーチングです。
アスレティック・トレーナーはフィジカル指導をしますが、経験を重ねるにつれフィジカルだけでは解決しない問題が多く、どうしたものかと思っていたところ出会ったのが認知科学でした。「これだ!」
私は2021年6月にTICEコーチを取得しました。フィジカルに加えてメンタル面(ココロ)から貢献することができます。