第三章 実践トレーニング

ここで紹介をするエクササイズは、とても基本的なものばかりです。

「なんだ、こんなの知っている。」と思ったら大間違い!これまでに行ってきたものとは全くの別物。クラシック・ダンス経験者、伝統芸能を高いレベルで行ってきた人、武道/武術を高いレベルで行ってきた人たちにとっては基本中の基本なので、簡単すぎるくらいですが、そうでない人にとってはとても難しい動きです。

運動中、以下の症状があるのは「下手くそ」の可能性があります。 

  • ・首の疲れ
  • ・太ももの疲労、それを通り越して膝の痛みや違和感(使った感)
  • ・腰の疲労、痛み、違和感(使った感)
  • ・首/腕/肩に力み

自己責任で行ってください。自己判断できない人(うまくできているかどうかわからない人、自分の体がわからない人、自分の体と向き合う気のない人)は行わないでください。

足(foot)

【指の動きを確認する】

指の関節は、見た目よりもっと甲側にあります。
関節を開くように指を折り、ストレッチします。
親指の関節⇔2番目(人差し指)⇔3番目(中指)⇔4番目(薬指)⇔小指 と丁寧に一つ一つの関節を確認にます。

足、重心足、重心足、重心

次に、足の甲、足首の前側を伸ばします。
甲の内側と外側ともにしっかり伸ばします。

足、重心足、重心

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・足の裏、指がつる。指を丸めるとつります。伸ばすのは甲
  •  ・かかとが外側を向く。捻挫しやすくなるので注意。

まちがい→←まちがい


【かかとの動きを確認する】 *座って行ってもOK

足首はかかとで動かします。
かかとをアキレス腱に近づけたり、かかとを押し出したりします。つま先でコントロールしないこと。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い 

  • ・足の裏、指がつる。指でコントロールするとつります。

まちがい→


【足の法則】

  • ①かかとは、つねに地面から上がりたがっている
  • ②足の甲は、つねに地面に戻りたがっている
  • ③左右のかかとは、つねに互いに会いたがっている

甲の地面に戻りたい力>かかとの地面から上がりたい力
 = かかとが地面について立っている状態
甲の地面に戻りたい力<かかとの地面から上がりたい力
  = かかとが地面から浮く上体

かかとをどんなに持ち上げても、甲は地面に戻ろうとする力が“必ず”働きます。
かかと vs 甲 の力が拮抗し“戦う”ことで足首が安定をします。

「左右のかかとが互いに会いたがっている」というのはお尻の引き締めです。
太ももが外回しするようにお尻を引き締めることで、左右のかかとが互いに会いたがり、足首が安定します。


【ヒールレイズ】

「足の法則」が基本です。ヒールレイズは、“甲の戻る力 < かかとの上がりたる力” で起こります。

(おへその位置を5㎝くらい高い位置へ移動させたい!(高いところにあるものを取りたい、ジャンプしたい) それにはかかとが上げないといけない!)

という順次です。  

おへそを(骨盤、体全体)を持ち上げる → だからかかとも上げる

初動を丁寧にゆっくりと行います。反動は使いません。

足の幅、足の位置、膝の屈曲角度など変化させて、様々な姿勢でできるようにしましょう。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い 

  • ・足首がぐらぐら、ふらふらする。ピタッととまらないのはダメ。
  • ・かかとがまっすぐの軌道を描くことができない。


「足の法則」通りに足をコントロールすることを “常”に “当たり前(無意識)”になるまで 意識し続けてください。

意識できるときにいつでも行えば、おそらく、1~2週間くらいで無意識の中に埋め込むことができます。

ヒールレイズをするときだけの5分くらい意識するだけだと、身につくまでに1か月以上かかるでしょう。

これから紹介をするエクササイズの中でも、足の法則については「当たり前に行われるもの」としてその都度表記はしません。もし、実践中にフォームが乱れたりフォームをキープできなかったりする場合は、足の力が法則通りに使われているかどうかを確認してください。

【なぜヒールレイズをするのか①】

「ふくらはぎは第二の心臓!鍛えたほうが良い!」「細くしたい」「むくみを改善したい」

いろいろな理由でヒールレイズをしている人がいると思います。

ヒールレイズをすでに行っている人でも、普段の生活でふくらはぎの筋肉を上手に使えていない人はたくさんいます。驚くほどたくさんいます。スポーツをしている人でさえ使えない人がたくさんいます。

そもそも私たちは二足歩行なので、ふくらはぎが使われていないことは 異常といえるのではないでしょうか。

ふくらはぎの筋肉が使えていないというのは、「ふくらはぎの筋肉を使わずに歩いている」ということです。ヒールレイズさえすれば、歩きさえすれば、ふくらはぎの筋肉を使っていると思うのは間違いです。ふくらはぎにある筋肉たちの役割は、かかとの上げ下げだけではありません。

第2章のまとめで書いたように、骨は筋肉によってからくり人形のように動きます。特に足にはたくさんの骨があり、ある一つの骨を引っ張り上げると、それにともなって隣の骨が持ち上がり、その隣が…のようにからくり人形そのものです。

たった一つの筋肉がそれらを行うことは不可能で、その動きの数だけ筋肉があるくらいです。そしてこれらの筋肉は、足の甲/横/裏から足首を通ってふくらはぎまで伸びています。

“ただ”かかとの上げ下げを行うだけでは、ふくらはぎの筋肉が引き締まることはありません。足(指や甲)まで意識をしてヒールレイズをすれば、やっと効果を得ることができます。

“ただ”かかとの上げ下げをしていると、本来働く筋肉が働かず、ある一部の筋肉ばかり働いてしまいます。オーバーワークです。オーバーワークを起こす筋肉は、ヒラメ筋、ヒフク筋などと呼ばれる大きな筋肉で、アキレス腱となってかかとの骨に付着しています。ふくらはぎの肉離れやアキレス腱断裂を起こしてしまう原因の一つはこのオーバーワークです。また、そこまで大きなケガにならなくても、頻繁にふくらはぎがつるのも同じくオーバーワークの可能性があります。

「足の法則」が理解できたうえでヒールレイズを行うと、こういったオーバーワークは解消され、効果的にふくらはぎを鍛えることができます。

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ヒップローテーション

【ヒップローテーション】

上半身を固定したまま太ももの頭の部分を前に移動させる
使う筋肉:お尻の筋肉、お腹を引っ張り上げる筋肉

 ②

  ①足を肩幅に開いて行う。つま先の向きはどこでもよい。
  ②足を大きく開き、つま先を膝を外側に向けて(太ももを外回し:ガニ股)で行う
  ①と②では使うお尻の筋肉が変わります。②の方が肛門に近い部分の筋肉を使います。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  • ・背中、腰が丸くなる  
  • ・目線、頭が下を向く  
  • ・横から見て、太ももの骨の頭部分の位置が移動していない  
  • ・腰(腰椎)が後ろに移動し、丸くなる
  • ・背が低くなる  
  • ・膝が前に出る  
  • ・腰に何かしら「感じる」 (張り、使った感、違和感)  
  • ・太ももの前側が疲れる

これは間違い→←これは間違い


【ヒップローテーションの解説】

太ももの骨の頭を大腿骨骨頭(だいたいこつこっとう)と呼びます。

●ヒップローテーションで鍛えているのは

  •  「大腿骨骨頭を前に押し出す筋肉」
  •  「大腿骨骨頭を外回し(外旋:がいせん)する筋肉」
  •  「下腹部を引っ張り上げる筋肉」

その結果ストレッチされるのは「腸腰筋(ちょうようきん)」です。

●大腿骨骨頭を外旋したまま前に押し出す筋肉を鍛える理由は、ほとんどの人が、大腿骨骨頭が理想的な位置より後ろに移動してしまっているからです。これが理想的な位置に戻すことで美しく健康的な姿勢になります。また、腰痛、膝の痛み、肩や首の痛みが改善されることさえあります。

●「骨盤体操」と間違えないようにしましょう。
骨盤体操で腰痛を発症した人が多くいたことは安易に想像がつきます。
下の図をみてください。水色の板を動かすのに、右からAポイントを押すのと、左からBポイントを押すのでは、板の傾き方は同じです。

ですが、これが体で、水色が骨盤だった場合。
Aポイントを押すのは腰椎、Bポイントを押すのは大腿骨骨頭
になります。

言葉を変えると、腰椎をお腹側から腰方向に押して腰が丸くなっているのが前者、ヒップローテーションをしているのが後者です。

骨盤だけを見ると結果は同じように見えますが、Aポイントを押すのかBポイントを押すのかで、「姿勢」や「健康」への影響結果は真逆になります。Aポイントを押すと姿勢が悪くなり、腰痛になります。Bポイントを押すと姿勢が改善され、腰痛の予防改善になります。

骨盤を動かすという認識はダメなのです。

●腹筋は縮めません。
下腹部の筋肉を引っ張り上げます。お腹の皮ふや筋肉をのどまで引っ張り上げるくらいのイメージが正解です。

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横揺れ

【基本姿勢を作る】

今後のエクササイズでは、この基本姿勢が “常にできている” ことを前提に進めていきます。先に進む前に必ず体に定着させてください。
人によっては、この姿勢を定着させるのに1か月以上かかります。

ヒップローテーションをする

お尻の筋肉と腹筋の引き上げを保持したまま、ゆっくりと、まっすぐ、膝を伸ばす。

膝がすんなり伸びた場合は、ヒップローテーションが維持できていない可能性があり、下の写真のように体が斜めになっている可能性が高い。

ゆっくりまっすぐ真上に伸びること。

まちがい→←まちがい


【太ももの骨の頭を押し込む】

●足を開く。  

ヒップローテーションの姿勢をキープ
頭を動かさずに、太ももの骨の頭部分を内側に押し込む
ヒップローテーションをキープできていると、横から見ても体のブレはない。

●足をそろえて 同様に行う。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  • ・ヒープローテーションがキープできない(横からみたときに、頭やお尻、胸が前後に移動する)
  • ・胸から上の縦軸がキープできない
  • ・横から見て、腰が反る。お尻が突き出る
  • ・下腹が突き出る
  • ・腰に何かしら「感じる」 (張り、使った感、違和感)
  • ・膝や膝の裏側ににツッパリ感、違和感、使った感がある

まちがい→←まちがい→←まちがい→←まちがい

まちがい→←まちがい→←まちがい→←まちがい


【横揺れ -横への重心移動】

今度は上半身も一緒に横に移動させます。 写真の手の位置を見てもわかるように、骨盤は斜めに動きます。背骨をまっすぐにキープしましょう。

慣れたら、足幅を広くします。ハイヒールを履いているかのようにかかとを上げます。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  • ・ヒープローテーションがキープできない
  • ・上半身が傾く
  • ・腰(脇腹)にしわができる
  • ・足が床かから浮く
  • ・膝や膝の裏側ににツッパリ感、違和感、使った感がある

まちがい→←まちがい→←まちがい


【内転筋(ないてんきん)について】

内転筋と言うと たった一つの筋肉のように聞こえますが、太ももの骨を内転させる筋肉はたくさんあります。ここでは太ももの内側にある筋肉たちを総称してを内転筋群と呼ぶことにします。

多くの人が内転筋群の働きを間違えて認識しています。左右の太ももや膝を近づけることは、内転筋の役割ではありません。もし、左右の太ももを近づけるとすると、下のオレンジの位置に筋肉があることになります。こんな筋肉はありません!

こんな筋肉はない!→

内転筋群は大腿骨骨頭に付着しているのではなく、太ももの骨の内側にがっつり付着していて、そこから骨盤にある恥骨(ちこつ)付近に付着します。骨盤底筋や腹筋と共に働くため、筋肉(オレンジ色で表示)を骨盤の中の方まで描いています。一つ一つの筋肉の位置は、専門家でなければ不要なので、ここでは一つの筋肉として考えてみましょう。

太ももの骨を内転させる筋肉は太ももの内側から骨盤を通りお腹の方まで伸びている、と考えます。

この筋肉が収縮すると太ももの骨は下の図のように引っ張り上げられます。太ももの骨の頭 (大腿骨骨頭:だいたいこつこっとう) は上に というより、外側に開きながら引っ張りあげられます。その結果、左右の太ももの骨や膝が近づきます。

おへその中から骨盤に手を突っ込み入れて、筋肉(群)を引っ張り上げる。内転筋群の働き方は、そんなイメージです。
内ももがダルダルしていたり、硬くなっていたり、肉離れを起こしてしまう人は、内転筋群の認識や使い方を間違えているのが原因です。

さて、左右の膝を近づける動作について少し解説をします。

以前(今は知りませんが)、テレビなどで内ももを引き締める運動として次のような運動(行為)が紹介されていました。イスに座っているときに、膝の間にペットボトルを挟んでおく。これは、といったもの。私はこれをお勧めしません

“ただ”ペットボトルを左右の膝で挟んでいる“だけ”だと、優先的に働くのは内転筋群ではなく、他の筋肉です。この筋肉は太ももの骨を「内回し(内旋)」させる筋肉です。太ももの骨の頭を本来の位置よりも内回しさせて、そこで固定させてしまいます。


黒い点の位置が変わる

この筋肉を鍛えたところで、脚が細くなることはありません。そればかりか、おしりを大きく見せたり膝の痛みを発症させたりすることがあります。
さらに、スネの骨は反動で外側に向くため、形の悪い内股になることもあります。

内転筋群を働かせるには「イメージ」が一番です。
横揺れができるようにならなくても、できるように意識をしながらトレーニングをすることで内転筋は必ず働き出します。

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腹式呼吸

【横隔膜と胸郭(肋骨周辺)の動き】

黒く縁どられた白い骨が胸郭(の肋骨、鎖骨、胸骨)
紫が肺
赤が横隔膜(筋肉)

肺は自力で収縮できないため、胸郭が肺を押して縮めて息を吐き、胸郭が広がることで肺が広がり息を吸う、という呼吸をしています。
理想的な呼吸は、横隔膜が下から肺を押したり、広げたりすることです。(体に最も快適)


胸郭を簡易化しました。赤が横隔膜です。


【理想的に息を吐く】

横隔膜(筋肉)縮まって肺を上に押して息を吐きだすのが理想です。

<イメージしながら息を吐く>
 ・横隔膜が絵のように持ち上がり、肺を押して、息が吐きだされる
 ・体は細く長~くなる

お腹をへこませるイメージは捨てましょう

【理想的に息を吸う】

横隔膜(筋肉)が下に横に伸びに伸びすることで、肺に空気が入ります。

<イメージしながら息を吸う>
 ・横隔膜が、横に前に後ろに平た~く伸びる
 ・山のすそ野のように広がっていく。

お腹が膨らむイメージは捨てましょう

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胸の回旋(ひねり)

胸の回旋(ひねり)

 ・ヒープローテションをキープして立ち上がる
 ・おへそを正面にキープ
 ・アンダーバストから上だけをひねる
 ・軸をキープする

●まずは、一方の肘を体の真正面に伸ばす練習をする
●次に、一方の肘を体の真後ろに伸ばす練習をする

一方の肘を体の真正面に、もう一方を真後ろに伸ばしながら、胸を回旋させる

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・ヒップローテーションがキープできない
  •  ・骨盤が動く
  •  ・太ももが動く、動きたがる
  •  ・腰が反る (肘が下に下がる)
  •  ・軸がキープできない
  •  ・背骨がしなる(反る)=背が低くなる (肘が下に下がる)
  •  ・腰に何かしら「感じる」 (張り、使った感、違和感)
  •  ・太ももの前側が疲れる

まちがい→←まちがい→←まちがい


【回旋(ひねり運動)のうんちく】

●お腹をひねるのではない

お腹をひねることでウエストが細くなる!というのは安易な考えです。お腹をぐにゃぐにゃ動かしてもエネルギーはたいして使いません。そのうえ、姿勢が改善されることはなく、腰痛の原因となります。

腹筋の役割は、本来、“お腹”をひねるためのものではありません。“胴体”をひねるためのものです。胸回りの回旋を行っているときに気づいたと思いますが、お腹周りにしっかりと力を入れ、しっかりと固定できた方が胸周りが簡単に動きます。

柔軟性のある棒を握り その先端を押すと、しなりはこぶしの真上から起こります。もし棒の上の方を動かしたいのであれば、棒の上の方を握るのが正解です。

握ったこぶしが体幹で、握る強さが腹筋の力、と言ったところでしょうか。胸回りを自由に動かすには体幹でしっかりと背骨を固定してあげればいいのです。

繰り返しますが、腹筋はお腹を動かさないと働かないわけではありません。胸を自由に動かすには腹筋がたくさん働きます。ウェストを細くしたいのであれば、お腹をひねるのではなく胸だけを動かすことを心がけてみましょう。

●「肩甲骨を寄せる」は捨てる

胸回りの回旋運動をするとき、肩甲骨はほぼ関係ありません。ところが、この運動をすると、やたらと肩甲骨に力が入る (肩甲骨を寄せようとする動きがでる) ことがよくあります。これはおそらく、「肩甲骨を動かそう」という運動が 過去にやたらと流行ったせいではないかと思います。無意識に肩甲骨を寄せる癖がついてしまっているのです。不要な上に、方を痛める原因になりえます。

すでに無意識に埋め込まれてしまっているため、これを改善するには、せっせと胸回りを動かすことに専念しましょう。
胸回りの回旋運動をするとき、肘が水平に動くようにキープしてください。

●腹斜筋について

腹筋の中に「腹斜筋(ふくしゃきん)」と呼ばれる筋肉があります。字のごとく腹部を斜めに走行しています。そして体をひねるときに働きます。
布を斜めに引っ張ると伸びるように、腹斜筋も伸びます。腹斜筋は腹部を横にひねるだけではなく、ひねりながら斜め上に引っ張り上げる力を持っています。

この筋肉が衰退すると 引っ張り上げる力がなくなるため、背が小さくなります。年を重ねていくと、軟骨がすり減ったから背が小さくなったと言われるようですが、私はそうではなく腹斜筋の衰退が原因だと思っています。
また、腹斜筋が衰退すると、体を回すことができなくなるため、膝で回すようになります。膝の痛みを抱える高齢者に体を回すように(でんでんだいこのように)してもらうと、腹部にひねりが全くでず、膝から胴体を動かす人が結構います。
これは、高齢になってからでも改善はできます。若いころから鍛えておけば、年を重ねてからの苦労はなくなるでしょう。

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胸の横 伸ばし

【わきの下を伸ばす(胸椎の側屈)】

横揺れで行ったものに腕を伸ばす動作を追加させた動作です。

一方の腕を上に、もう一方を横に伸ばし、そのまま重心移動をしながら腕を情報へ伸ばしていきます。横に伸ばした腕は地面と水平を保ちます。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  • ・ヒップローテーションがキープできない
  • ・胸やお腹が突き出る
  • ・背骨が横にしなる 肩が下がる
  • ・左右の腰の高さがキープできない 腰が持ち上がる
  • ・肩が耳に近づく
  • ・体がねじれる
  • ・肩に痛みが出る
  • ・腰に使った感、痛み、違和感が出る

まちがい→←まちがい→←まちがい


【肋骨、胸郭について】

●下げる のではなく 上げる

肋骨は、アコーデイオンのように開きます。肋骨に開きが出るのは、腕が上がると同時に上部の肋骨が上がり、下部の肋骨が下がった時です。

大切なのは「下部の肋骨が下がる」です。これは腹筋です。
腹式呼吸を思い出してください。息を吐くと横隔膜が上がるとお腹周りが細く長くなります。これは肋骨下部が下に下がったからです。

もちろん、肋骨を下げるのは横隔膜だけではありません。いろいろな腹筋や他の筋肉も使います。脇を伸ばす動作にも、腹筋が関わっていることを知りましょう。

片手を上に伸ばすとき、重心移動が起こります。
両手を腕に伸ばすときは力が相殺されるので重心移動は起こりませんが、片方の腕を上げるときに重心移動が起こるのは自然です。もし、片方の手を上に上げても、横への重心移動がおきない人は、「横揺れ」で再度トレーニングしてください。

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スクワット

スクワットは立ち上がりを鍛える動作です。

横揺れのところで行った「立ち上がり動作」がそのままスクワットになります。ヒップローテーションをキープしたまま腰を落としたり戻したりします。

“太ももの骨の頭の位置”は垂直に上下に移動します。前後に動くことはありません。この時膝は自然につま先より前に出ます。
太ももの骨の頭の位置とおへそができるだけたくさん上下するように動きます。
膝の曲げ伸ばし運動ではありません。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・背中、腰が丸くなる
  •  ・目線、頭が下を向く
  •  ・太ももの骨の頭の部分が一直線上をたどらない
  •  ・腰に何かしら感じる (張り、使った感、違和感)
  •  ・膝に疲れを感じる
  •  ・太ももの前側がすぐに疲れる
  •  ・スネが疲れる

まちがい→←まちがい


【スクワットの解説】

スクワットは「立ち上がり動作」を鍛えています。
力強く立ち上がることができるようになるには、良い位置で座ることが絶対条件となります。


立ち上がるときは、お尻がアッパーパンチされるようにプッシュします。

これまでの解説の中で「太ももの骨の頭は前に移動する」と書いてきたので、前にプッシュしてしまうイメージがついてしまった人もいるかもしれません。太ももの骨の頭は、移動方向に移動するのが理想です。立ち上がる時は、斜め上方にアッパーパンチされるイメージを持ってみてください。

ところで、「膝がつま先より前に出ない」「太ももと地面が平行」という姿勢。とても不自然だと思いませんか?
こんな姿勢で床やイスに座る人を見たことがありますか?

もともとトレーニングの目的は、“何か”を強化するためのものだったはず。何かとは動作です。例えばアメリカなどの軍でトレーニングを考えてみます。(私は軍に入ったことも内部を見たこともないので、想像でしかありません。)
生死に関わることなので、体をかっこよく鍛えようなんて目的の人は少ないはずです。重い荷物や 時には仲間を抱えて走らないといけないかもしれない。できるだけ疲れず、痛みが出ず、長い時間、効率よく動ける体を目指すはずです。そんな中、膝はつま先より前に出ない、太ももと地面は平行などという不自然な動きを鍛えるトレーニングを行うとは思えません。もしかしたらお尻や太ももは引き締まってかっこよく見えるかもしれませんが、戦場で役に立つことはないからです。

トレーニング方法は軍からの発祥され(ているモノが多いような気がします)、アスリートに広まり、一般に広がっていく。そんな流れがありますが、目的が変わるのは当たり前として、目的が変わりすぎてエクササイズそのものまでヘンテコに変化してしまっているようにも思えます。

フォームは大切ですが、それより目的をしっかり明確にしましょう。何を鍛えたくてスクワットをするのですか?

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ランジ

【スプリット姿勢の作り方】

足を前後に開き、バランスをとれるようにします。

  • ・足を前後に開いたとき、重心は体の真ん中にある。上半身(骨盤から上)が開いた足のちょうど真ん中で、地面と垂直になる。
  • ・後ろのかかとは上がる。
  • ・ヒップローテーションをして、左右の肩/腰を同じ高さにする。
  • ・おへそは正面を向く。(後方の足に引っ張られると、おへそ(骨盤)が開いて正面を向かないことがあるため注意)
  • ・体全体を引き上げる、もしくは、いつもの姿勢よりおへその位置を1cm引き上げて静止するイメージを持つ。
  • ・前側のつま先は多少外を向いてもOK。

慣れてきたら、足幅を広くして行ってみましょう。
足幅を広くすると、骨盤が後方の脚側に引っ張られるようになります。それを正面に向けるために、内ももや腹筋など筋力がさらに必要になるため、鍛えることができます。


【ランジ】

スプリット姿勢がとれるようになったらランジにチャレンジです。
姿勢を維持したままゆっくりと腰を落とし、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

  • ・重心の位置はほぼ変わらない。まっすぐ下に降りて、まっすぐ戻る。膝を無理矢理伸ばす必要はない。
  • ・上下運動は、前側のお尻が全責任を負う。反対側の腰/お尻/膝、前側の膝は責任を追うことはない。
  • ・左右の肩/腰の高さが同じであるようにキープするため、腹筋を使って常に引き上げておく。

ランジもスクワット同様、立ち上がる時は 姿勢を保ったまま お尻(太ももの骨の頭)がアッパーパンチされるようなイメージです。もしくは、進行(移動)方向に骨盤をプッシュするイメージです。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い 

  • ・左右の腰の高さがキープできない(写真右)
  •  ・一直線上をたどることができない(写真左)
  •  ・上半身が倒れる
  •  ・前側の膝がやたらと前に出る
  •  ・腰に何かしら感じる (張り、使った感、違和感)
  •  ・膝に疲れを感じる
  •  ・太ももの前側がすぐに疲れる

まちがい→←まちがい→←まちがい


【ラテラル・ランジ】

横への移動です。基本は横揺れです。

足を大きく横へ踏み出し、重心を移動させながら腰を落とします。ヒップローテーションを常に意識をし、腰をそらせないようにしましょう。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・体の中心軸をキープできない(傾く)(写真一番左)
  •  ・脚や骨盤が回転してしまう(写真左から二番目)
  •  ・上半身がやたらと前に倒れる(左から三番目)
  •  ・膝が前に出て、太ももの骨の頭が後ろへ移動しない(一番右)
  •  ・腰に何かしら感じる (張り、使った感、違和感)
  •  ・膝に疲れを感じる
  •  ・太ももの前側がすぐに疲れる

まちがい→←まちがい→←まちがい←まちがい→←まちがい

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デッド・リフト

【ヒップ・ヒンジ】

太ももの骨の頭の前後移動する運動です。

  •  ・スネは動かない。膝を支点とする
  •  ・ヒップローテーションをする
  •  ・そのまま太ももの骨の頭を後ろへ移動させる
  •  ・ゆっくりと戻る

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・膝が伸びる(一番左)
  •  ・お尻が後方へ突き出し、腰が反る(ヒップローテーションがキープできていない)(真ん中)
  •  ・太ももの骨の頭が後方へ移動しない(一番右)
  •  ・腰に何かしら感じる (張り、使った感、違和感)

まちがい→←まちがい→←まちがい→←まちがい


【デッド・リフト】

デッドリフトは荷物を持ち上げる動作です。床にある段ボールや何かしらのとても重い荷物を持ち上げるイメージで行ってみましょう。

荷物を持ったら、お尻の力で持ち上げます。

実際に重いものを持った方がわかりやすいかもしれません。その時は、無理しすぎず、でも少し重めのもので行ってみてください。「重い荷物」を腰で持ち上げようとすると腰を痛めます。腕で持ち上げることはできません。だからお尻の力を使います。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・背中、腰が丸くなる
  •  ・腰に何かしら感じる (張り、使った感、違和感)
  •  ・膝に突っ張り感がある

まちがい→


【ヒップ・ヒンジ/デッド・リフトの解説】

スクワットとの違いは、重心移動の方向です。
スクワットは重心が上下に移動するのに対し、デッドリフトは前後に移動します。

またスクワットでは、足首に対してスネの骨が動き、膝の位置が前後に移動します。デッドリフトではスネの骨が動かないため、膝を支点に太ももの骨が動きます。

前に歩くとき、重心は前へ移動します。階段を上るとき、重心は斜め上に移動します。上にジャンプするときは、下から上へ。前にジャンプするとlきは斜め上。

重心を移動させることで、私たちはあちこち方向を変えて動作を起こしています。通常の動作は、複合的なので、前から後ろ、必ず下から上、などと決まっているわけではありませんが、一つ一つ丁寧に鍛えて身に着けることで、複合的な動作をスムースに行えるようになります。

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踏み台昇降

【上り階段でスプリット姿勢を作る】

基本はランジで行ったスプリット姿勢です。一方の足が高い台にのっているというだけで、姿勢の作り方は一緒です。

階段を上る時、重心は前側のお尻にのせます。
とてつもない急な階段を上ることを想像してください。足を踏み出しているのに、重心が後ろにあると転げ落ちてしまいます。だから重心は、必ず、前側のお尻に責任を持たせます。

ステップ台に片方の足を乗せて、ヒップローテーションします。左右の肩、腰が同じ高さになり、背骨はまっすぐ、おへそは正面を向きます。重心は前側のお尻です。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・重心が後ろの脚に乗っている(一番左)
  •  ・重心が後ろのまま、上半身だけが前に倒れている(左から二番目)
  •  ・後ろ側の腰が落ちていて、左右の腰の高さを保てていない(左から三番目)
  •  ・膝が内側に倒れている(一番右) これはおへその位置が低すぎるために起こる。

まちがい→←まちがい→←まちがい→←まちがい→←まちがい


【階段を上がる】

スプリット姿勢ができたら、そのまま上るだけです。

  • ・反動を使わない。
  • ・骨盤がステップ台と同じ高さを移動する。上半身を(お腹を)使って骨盤を引っ張り上げる。

とにかくいつでも背が伸びるように(骨盤の位置ができるだけ高い位置に移動するように)心がけます。腕や手はいつでも自由に動かせるようにしておきましょう。

よくあるまちがい

  • ・膝を押し込んで膝を伸ばす

←まちがい

これは、骨盤を十分に持ち上げることができないために、膝でごまかしを入れている証拠です。これが膝の痛みの原因になります。

  • ・お腹に力が入っていない

←まちがい

お腹に全く力が入っておらず、背中が丸まったまま目線は下のまま(写真下右)のまま階段をあがると、やはり膝に負担がかかります。
膝が伸びきる前に、骨盤(おへそ)がステップ台と同じかそれ以上の高さを移動できるようにしておきます。(写真上)膝が伸びるのは最後の最後です。

  • ・背筋を使って勢いで上がる

背筋を使って勢いで上がると、階段を上り切ったときにそっくり返る姿勢になります。ひっくり返ってしまうので危険です。

←まちがい


【階段を下りる】

下り階段での重心は、後ろ側のお尻にのせます。
とてもつもない急な階段を下ることを想像してください。踏み出した足に重心がのってしまうと、下に転げ落ちてしまいます。だから、踏み出した足が地面に着地するギリギリまで、重心は後ろ側のお尻に責任を持たせます。

重心が前だと転げ落ちます→危険

始めに…

低めのステップ台を用意します。
ヒップローテーションをして、その姿勢をキープしたまま片方の足を伸ばします。地面ギリギリまでおろしたら、また元の位置に戻します。(シングルスクワットです)

・ヒップローテーションをキープする
・後ろ側のお尻に重心をのせていることをしっかりと感じること。

膝に違和感がある場合は即中止してください。

次に、実際に階段を下りてみましょう。

地面に脚がつくまで、後方のお尻に重心を乗せておきます。ゆっくり降りる練習をしましょう。

以下の症状のどれか一つでも当てはまれば間違い

  •  ・上体が前のめりになる
  •  ・お尻に力が入らない
  •  ・膝に違和感がある

【階段の上り下りの解説】

階段の上り下り/踏み台昇降も、体幹運動です。膝や脚の運動ではありません。

街中で体を丸めて「よいしょよいしょ」と階段を上る年配の方をみかけますが、上半身(腹筋の引き上げ)を身に着けるだけでだいぶ楽になるのに。と思います。実際に「以前は、這うように階段を上っていたけど、今はしゃきしゃき上れるようになった」という70代後半の方がいます。

普段の生活の中で何かができないとき、それを「筋力不足」と思わず「体の使い方」「姿勢」で改善できるものと知ってください。効率の良い動作とは、責任を持つ部位に、いかに負担をかけずに楽にしてあげるか、です。

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ジャンプ

ジャンプ

大人になってからジャンプをすると「体が重い!」と感じます。実際に体重が増えたこともあるとは思いますが、体幹力がなくなった、というのも一つの原因です。

ジャンプも太ももの骨の移動です。第一章の{ 骨 盤 の傾き}と{太ももの骨の傾き}の関係①での解説を思い出してください。太ももの骨の頭が前に移動するとき、骨盤も一緒に動きます。お腹が伸びていた方が太ももの骨は自由に動けるのです。

だから 前だろうが上だろうがジャンプをするときは、腕を振ってお腹を思い切り伸ばします。そして骨盤を移動したい方向へプッシュします。
そして できるだけ音を立てないように着地します。「ドン!」という大きな音が出る人は、膝を痛めやすいので注意しましょう。

太ももの骨の頭の話だけをすると、太ももの骨の頭は、ほかのエクササイズ同様、アッパーパンチされるようにプッシュします。骨盤をプッシュと考えても大腿骨骨頭がプッシュされると考えてもどちらでも構いません。

普段の生活でジャンプを必要とする人はあまりいないと思います。ジャンプは「確認」という意味で時々行ってみてはどうでしょうか。高く跳び、柔らかく(音がしないように)着地をすることができれば、膝や股関節は上手に機能していると確認できます。

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