第一章 姿勢のメカニズム

ここでは、体のしくみを解説していきます。これを読み終わると以下の知識を得ることができます。
 ①姿勢を改善するには下半身の強化(改善)が欠かせないことがわかる
 ②猫座や反り腰などと「足(foot)」との関りがわかる

第一章目次

  • 1-1 背骨の動き と 骨盤の傾き の関係
  • 1-2 骨盤の傾き と 太もも の骨の傾き の関係①
  • 1-3 背骨の動き と 太ももの骨の傾き の関係①
  • 1-4 太ももの骨の動き と足(foot)の関係①
  • 1-5 まとめ①
  • 1-6 骨盤の傾き と 太ももの骨の傾き の関係②
  • 1-7 背骨の動き と 太ももの骨の傾き の関係②
  • 1-8 太ももの骨の動き と 足(foot)の関係②
  • 1-9 まとめ②

背骨の動きと骨盤の傾き の関係

骨盤と背骨ただの“図”として見てください。

●(丸)と■(四角)をつなぐ棒があります。
●と■の位置が変化することはありません。

ただし、どちらも傾くことはできます。

骨盤と背骨骨盤と背骨(図の右側を前、左側を後とする)

(黄色)■が前に傾くと、棒は後ろに大きくしなります。

(緑) ■が後ろに傾くと、棒は前に大きくしなります。

棒のしなりは■の傾きに影響を受ける

注)ここでは、■の傾きがない状態で、棒が単体で自ら動くことはない、と考えます。

●を頭、■を骨盤、棒を背骨に置き換えてみましょう。

骨盤と背骨骨盤と背骨骨盤と背骨

(黄色)骨盤■が前に傾くと、背骨は反ります。

(緑)骨盤■が後ろへ傾くと、背骨は丸まります。

背骨のしなりは骨盤の傾きに影響を受ける

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骨盤の動きと太ももの骨の傾き の関係①

大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤ただの図として見てください。
左は正面から、右は横から見た図です。

下半分に丸い凹みのある四角い板があります。
そこに、先端の丸い棒が板の凹みにはまっています。


板の凹みにはまっている丸い部分は、凹みの中を自由に動くことができます。

大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤

(図の右側を前、左側を後ろと表現します。)

(黄色) 丸い先端部分が後ろに移動すると、四角い板は前に傾きます。

(緑) 丸い先端が前(緑)に移動すると、 四角い板は後方に傾きます。

四角い板の傾きは、棒の先端部分の移動に影響を受けることがわかります。

  • ・四角い板を骨盤
  • ・先端の丸い棒を太ももの骨 (大腿骨骨頭:だいたいこつこっとう)
  • ・凹みにはまる丸い部分を骨盤から成る股関節

に置き換えて考えてみましょう。

大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤

大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤

大腿骨骨頭と骨盤大腿骨骨頭と骨盤

骨盤の傾きは太ももの骨の動きに影響を受ける

「おじぎ」をする時のように上半身が前に倒れる動作や、ラジオ体操で上半身を反らせるような動作は、実は太ももの骨の動きによって作られています。

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背骨の動きと太ももの傾きの関係①

太ももの骨が背骨に与える影響

大腿骨骨頭と骨盤と脊椎さて、図の中の関係性はすでにわかってきたと思うので、

  • ・四角い板が骨盤
  • ・先端の丸い棒が太ももの骨
  • ・骨盤から上に伸びている棒が背骨

として図を見ていきましょう。

(図の右側を前、左側を後ろと表現)

大腿骨骨頭と骨盤と脊椎大腿骨骨頭と骨盤と脊椎大腿骨骨頭と骨盤と脊椎

太ももの骨の頭の部分(大腿骨骨頭:だいたいこつ こっとう)が後ろ(黄色)に移動すると、骨盤は前に倒れます。本来なら、それに伴い上半身も前に倒れます。

大腿骨骨頭と骨盤と脊椎

しかし、上半身を倒さずに 地面に対して垂直を保とうとすると、背骨に余計な“ぐにゃり”が起こります。(赤い丸)

大腿骨骨頭と骨盤と脊椎大腿骨骨頭と骨盤と脊椎大腿骨骨頭と骨盤と脊椎

太ももの骨の頭の部分が前(緑)に移動すると、骨盤は後ろに倒れます。
本来なら、それに伴い上半身も後ろに倒れます。

大腿骨骨頭と骨盤と脊椎

しかし、上半身を倒さずに地面に対して垂直を保とうとすると、背骨に余計な“ぐにゃり”が起こります。(赤い丸)

大腿骨骨頭の動きを無視して
背骨をまっすぐに(地面に対して垂直に)保とうとすると
腰に負担がかかる

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太ももの骨の動きと足(foot) の関係①

なぜ、太ももの骨の頭は傾くのか?

大腿骨骨頭と骨盤と下腿

水色の積み木が重なっている、と想定して図を見てください。

下から順に、積木(A)、積木(B)、積木(C)


大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿

積木(A)を傾けると、バランスをとるために積木(B)と(C)も必ず傾きます。そうでないと崩れてしまうからです。

では、今度は、

  • ・積木(A)を足(foot)
  • ・積木(B)をスネの骨
  • ・積木(C)を太ももの骨

として見ていきましょう。

【黄色のパターン】

足(A)の傾きは、実際にかかとが上がっているわけではなく、重心の位置が過剰に前方にある場合を示しています。

大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿

(青色)骨が整列しているとき、体はまっすぐに伸びます。

(黄色)重心が過剰に前にあるとき、

パターン1)
スネの骨(B)が足(A)との関係性を保つ。
太ももの骨(C)も(B)との関係性を保つ。
(B)と(C)は床に対して斜めに伸びていく。

パターン2)
スネの骨(B)と(C)がそれぞれ地面に対して垂直を保とうとする。

【緑いろのパターン】

足(A)の傾きは、実際につま先が上がっているわけではなく、重心の位置が過剰に後方にある場合を示しています。
大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿大腿骨骨頭と骨盤と下腿

(緑)重心が過剰に後方にあるとき、

パターン1)
スネの骨(B)が足(A)に逆らい、地面に対して垂直を保とうとする。
太ももの骨(C)は(B)の延長上に伸びていく。
→写真のように、体全体が地面に対して斜めに前方に傾く

パターン2)
スネの骨(B)が足(A)に逆らい、地面に対して垂直を保とうとする。
太もも(C)も垂直を保とうとする。

太ももの骨の動きは
足の傾き(重心の位置)から影響を受ける

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まとめ①

CKC クローズド・キネティック・チェーン

背骨の動きは骨盤の傾きに影響を受ける

骨盤の傾きは太ももの骨の動きに影響を受ける

太ももの骨の動きは足の動きに影響を受ける

だから、

猫背などの姿勢を改善するには、上半身だけみていてもどうにもなりません。

下半身も改善/強化をする必要があります。


これまでシンプルな図で説明をしてきました。

もちろん私たちの体はもっと複雑にできていて、知れば知るほど「神ががっている!」と思うような造りになっています。

専門家でない限り、体を複雑に考える必要は全くありません。シンプルな動きを頭の中に入れておきましょう。

ここまで解説をすれば、猫背/姿勢は上半身の問題だけではないことが理解できたと思います。

さらに下半身の重要性を理解してもらうために、ここからもう少し股関節について、追加解説をしていきます。

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骨盤の動き と太ももの傾き の関係②

前半部分では、体を横から見てきました。ここからは正面から見ていきます。

骨盤と大腿骨骨頭

骨盤と大腿骨骨頭・灰色の台形は骨盤
・水色の棒は太ももの骨

とします。

太ももの骨の頭(大腿骨骨頭:だいたいこつ こっとう)が前や後ろに動くことはすでに説明しました。そしてここでは、それが内側や外側にも動くことを解説していきます。

骨盤と大腿骨骨頭骨盤と大腿骨骨頭

太ももの骨が一方が外側へ、もう一方が内側へ移動すると、写真のような重心移動が起こります。(これは正常な動き)

左右の太ももが「本来の適正な位置」よりも過剰に移動することがあります。
注)この移動は、数ミリ単位の移動です。数センチ動くわけではありません。

パターン1)左右の太ももの骨が「適正な位置より外側」に移動する

骨盤と大腿骨骨頭骨盤と大腿骨骨頭

正面から見たとき、骨盤(台形)への影響があるように見えませんが、

骨盤と大腿骨骨頭骨盤と大腿骨骨頭

横から見ると影響を受けていることがわかります。骨盤が前に押し出され、お尻が突き出た姿勢になります。

パターン2)左右の太ももの骨が「適正な位置より内側」に移動する

正面から見たとき、骨盤(台形)への影響があるように見えませんが、

骨盤と大腿骨骨頭骨盤と大腿骨骨頭

骨盤と大腿骨骨頭骨盤と大腿骨骨頭

骨盤が後ろに押し出され、お腹が突き出た姿勢になります。

骨盤の傾きは太ももの骨の動きに影響を受ける

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背骨の動きと太ももの傾きの関係②

太ももの骨は左右いつも同じ動きをするとは限りません。一方が過剰/過少に動き、もう一方が正常に動いたりします。

骨盤と大腿骨骨頭と脊椎骨盤と大腿骨骨頭と脊椎

パターン1)一方の太ももの骨の頭が 適正位置より内側に入り込む
パターン2)一方の太ももの骨の頭が 適正位置より外側に移動する

骨盤と大腿骨骨頭と脊椎骨盤と大腿骨骨頭と脊椎骨盤と大腿骨骨頭と脊椎

どちらの骨がどうなっているのかは専門家ではない限り見極めるのは難しいため、見極める必要はありません。

骨盤を挟み込んでいる太ももの骨 左右対称ではないと、骨盤が左右に傾いたり、回旋がかかったりします。

すると、背骨に横のしなりが出たり、ねじれが出たりします。

背骨の余計なしなりは、太ももの骨の動きから影響を受ける

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太ももの骨の動き と 足(foot) の関係②

太ももの骨はなぜ内側や外側に傾くのか?

骨盤と大腿骨骨頭と下腿最初は、これまでと同じよう積木が積み重なっていると見てください。
慣れてきたら、

  • ・積み木(A)=足(foot)
  • ・積み木(B)=下腿(スネ)
  • ・積み木(C)=太もも

として見てみましょう。

パターン1) 足(A)が内側に傾いている(重心が過剰に内側にある)

骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿

~オレンジ~
スネの骨(B)は足(A)につられて傾く。
太ももの骨(C)は地面に対して垂直を保とうとして動く。

~茶色~
スネの骨(B)は足(A)の傾きに対して反発し、地面から垂直を保とうとして動く。
太ももの骨(C)はBに合わせて動く

足(A)は偏平足、外反母趾であることが多い

パターン2)足(A)が外側に傾いている(重心が過剰に外側にある)

骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿骨盤と大腿骨骨頭と下腿

~緑~
スネの(B)は足(A)につられて傾く。
太ももの骨(C)は地面に対して垂直を保とうとして動く
O脚に見えることが多い

~深緑~
スネの骨(B)と太ももの骨(C)は、足(A)の傾きに反発をし、地面に対して垂直を保とうとして動く。
お腹が突き出て見えることが多い

太ももの骨の傾きは、足の影響を受けている

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まとめ②

キネティック・チェーン

繰り返します。姿勢は、背中や肩ばかり見ていては改善しません。

  • 背骨の動き
  • ↑↓
  • 骨盤の傾き
  • ↑↓
  • 太ももの骨の頭の動き
  • ↑↓
  • 足の傾き

ここで、矢印の方向が双方向になりました。

これまで一方方向への影響について説明をしましたが、実際は互いに影響し合っています。

猫背は足の影響を受けている可能性があるし、猫背で生活をしていることで足が悪くなる可能性もあります。

膝の痛みが骨盤と背骨の関係性を改善すると治ってしまったり、太ももの骨の動きを見直したらバランス感覚がよくなったり。全く不思議なことではありません。

「結局、全身運動じゃん!」

そこに気づかれた方、そうなんです。その通りです!姿勢を改善するというのは、全身を見直していくことなのです!


第二章では、骨の配列(アライメント)について解説していきます。骨の配列を整えることが、姿勢を改善するというお話です。

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